近年、サイバー攻撃の被害が拡大しており、あなた方の大切なデータも脅威にさらされています。サイバー攻撃への対策はもはや選択の余地がない時代となりました。
しかし、一体どのような対策をとれば良いのか、多くの方が迷っているのではないでしょうか。
この記事では、現代におけるサイバー攻撃への8つの効果的な対策をわかりやすく解説します。データを守るための対策は複雑に感じるかもしれませんが、具体的なステップを踏めば、それほど難しくはありません。
最新のサイバー攻撃への対策を身につけ、より安全なネット環境を構築しましょう。
サイバー攻撃の種類
サイバー攻撃の種類には、いくつかのパターンがあります。それぞれ解説していきます。
標的型攻撃
標的型攻撃は、特定の組織や人物を明確に対象として狙ったサイバー攻撃です。
この攻撃の特性として、電子メールの添付やリンクを通じて、悪意あるプログラムが送り込まれることが多いです。攻撃者の主な目的は、企業の秘密データを盗み出すことです。
不特定多数に対する攻撃
フィッシング詐欺やゼロクリック詐欺は、不特定多数のユーザーを狙う典型的な攻撃です。
これらの攻撃の特色として、ウェブ上に罠となるページが設けられており、多くのユーザーはそれが偽のサイトだと気づかずに、パスワードやクレジットカード情報などを入力してしまいます。その後、この情報は闇市場(ダークウェブなど)での販売や他の攻撃に使用されることが多いです。
脆弱性を狙う攻撃
サイバー攻撃の中には、OSやアプリ、そしてウェブサイトの弱点を利用するものも存在します。
ゼロデイ攻撃は、まだ公に知られていない脆弱性を利用した攻撃を指し、インジェクションやクロスサイトスクリプティングといった方法がよく使われます。
サイトに負荷をかける攻撃
DoS攻撃やDDoS攻撃は、ウェブサイトに過度な負荷をかけてサービスを停止させることを狙う攻撃です。
DoSは単一のソースから、一方DDoSは多数のソースから攻撃が行われます。これにより、ターゲットのサイトは大量のリクエストによりダウンしてしまうことが多いです。
総当たり攻撃(パスワードを狙った攻撃)
総当たり攻撃は、あり得るすべての組み合わせでパスワード入力を試みる方法です。
この攻撃手法は時間が掛かることもありますが、逆に時間さえあれば、正確なパスワードを見つけ出すことが可能となります。
サイバー攻撃の被害例
サイバー攻撃の実際の被害例について見ていきましょう。
ランサムウェアによる被害例
2020年11月、ある著名なゲーム会社がランサムウェアの攻撃を受けました。
驚くべきことに、この攻撃は会社の北米に位置する子会社を通じて実施され、結果として、たくさんの個人情報や重要な企業データが流出してしまいました。この事態を鑑み、該当のゲーム会社は即座に警察やセキュリティ専門家と連携。その後、関連情報や調査結果を公にしました。
フィッシングメールの被害例
Amazonなどの巨大なECサイトの名前を利用したフィッシングメールが、最近増加の一途をたどっています。
これらのメールはその見た目や内容が公式から来たかのように非常に細工されており、初めて見た人には一見、迷惑メールだとは分からないほどです。これらの詐欺的なメールは、未払いの請求やアカウント更新をうたってユーザーを誘導しようと試みます。
しかし、注意深く見ると、メール内のURLリンクや遷移先のウェブサイトのドメインが実際のAmazonとは異なることが確認できます。
サイバー攻撃への対策
サイバー攻撃への対策は、従業員・企業それぞれが行う必要があります。何をすべきか、詳しくお伝えしていきます。
従業員がすべきサイバー攻撃への対策
OS・ソフトウェアを常に最新の状態にする
従業員は、使用している全てのデバイスとソフトウェアを最新の状態に保つことで、サイバー攻撃から自身と組織を守る第一歩とするべきです。
サイバー攻撃の脅威に対応してユーザーを守るため、OSやソフトウェアの開発者は定期的にセキュリティアップデートを提供しています。これらのアップデートは、新たに発見された脆弱性を修正するもので、最新のものに更新しなければ、攻撃者に狙われるリスクが高まります。
推測されづらいパスワードを設定する
安全なオンライン活動の基本は、強固なパスワードを設定することです。
一般的に、短く、簡単な単語や生年月日を使用したパスワードは、総当たり攻撃などで簡単に推測される可能性が高まります。推測されづらいパスワードは、大文字・小文字、数字、特殊文字を組み合わせた、8文字以上のものが理想です。さらに、一つのサイトやサービスで使用するパスワードを他のサイトやサービスで再利用しないことも大切です。
パスワード管理ツールを活用すると多数の強固なパスワードを簡単に管理できるので、導入を検討してみてください。
不審なメール・詐欺サイトを警戒する
不審なメールやリンクを開くことで、攻撃者に重要な情報が漏洩する可能性があるため、絶対にクリックしないよう心がけることが大切です。
メールの差出人や文面、リンクのURLを十分に確認し、怪しいと感じた場合はすぐに削除することを推奨します。また、公式な通知や請求であるかのように偽装されたメールには特に注意が必要です。
セキュリティ教育を定期的に受けることで、最新の攻撃手法や脅威を知ることができ、自身を守る手助けとなります。
企業がすべきサイバー攻撃への対策
サイバー攻撃対策ソフトの導入
サイバー攻撃対策ソフトの導入は必須といえるでしょう。
このソフトは、不正アクセスやウィルスの侵入を検知し、企業の重要情報を守ります。特に、最新の脅威に対応するため、定期的なアップデートが求められる点に注意が必要です。
選定時には、企業のニーズや規模に合ったソリューションを選び、導入後もその効果を定期的に確認・評価することが大切です。
USB・外付け機器(HDDやSSD)の利用制限
USBや外付け機器(HDDやSSD)の利用を制限することは、サイバーセキュリティを高める重要なステップの一つです。
外部メディアの不適切な利用は、企業の情報漏洩やマルウェア感染の原因となり得ます。そのため、USBポートの無効化や、認可されたデバイスのみの利用を許可する方針を取ることをおすすめします。
もちろん、柔軟性を持たせて対応することも大切です。必要な場面でのデータ移行をスムーズに行えるよう、管理者の承認を経ることで制限を一時的に解除する仕組みも設けると良いでしょう。
特定のWebサイトの閲覧制限
インターネットの自由な利用は情報収集や業務効率の向上に役立ちますが、一方でリスクも伴います。
危険なサイトへのアクセスや不適切なコンテンツの閲覧は、セキュリティ上の脅威や業務の効率低下を招く可能性があります。企業としては、特定のカテゴリーやドメインに対するアクセス制限を実施することで、これらのリスクを最小限に抑えることが可能です。
実施時には、必要なサイトへのアクセスを妨げないよう、細やかな設定と柔軟な運用が求められます。
セキュリティアセスメントの実施
セキュリティアセスメントの定期的な実施は、企業のサイバーセキュリティ体制を点検・強化する上で非常に有効です。
外部の専門家による評価やペネトレーションテストを行うことで、企業のIT環境に存在する脆弱性やリスクを的確に把握し、適切な対策を講じることができます。
セキュリティは日々進化するもの。その変化に柔軟に対応し、企業の資産と情報を守り続けるために、定期的なアセスメントは欠かせません。
サイバー攻撃対策するうえでのポイントとは
サイバー攻撃対策をするうえでのポイントを3つお伝えします。
セキュリティの課題を把握する
サイバーセキュリティの向上の第一歩は、現在の脆弱性やセキュリティの課題を正確に理解することです。
セキュリティツールを取り入れる前に、具体的にどの部分がリスクを持っているのかを明確にする必要があります。単に多機能なセキュリティツールを追加するだけでは、真のセキュリティは実現できません。
目的やリスクを明確に把握した上で、適切な対策を計画・実行することが求められます。
ツールの導入後は適切に運用する
セキュリティツールを導入したからといって、放置してしまっては意味がありません。
実際、多くの企業でツールのアップデートが行われていない場合が見受けられます。ツールの真価は、適切な運用を開始した時に初めて現れるものです。たとえば、定期的なアップデートや、セキュリティ顧問との定期的なコミュニケーションは、予期せぬ脅威からの防御に不可欠です。
日常的にはその重要性を感じにくいかもしれませんが、常に警戒心を持つことが大切です。
セキュリティルールの策定・従業員への研修
サイバー攻撃は予測が難しく、メール一つで企業全体が危機にさらされることも考えられます。ツールの導入や適切な運用はもちろん大切ですが、それと同時に従業員一人ひとりの意識改革も欠かせません。
セキュリティルールを明確に策定し、それを従業員全員に伝え、理解させる研修の実施は必須です。ツールだけでなく、人々の意識や行動が変わらないと、真のセキュリティリスクの低減は困難です。
従業員全員がセキュリティの重要性を理解し、行動することが、結果として企業を守る大きな力となります。
まとめ
今回の記事では、サイバー攻撃への対策のポイントについて解説してきました。
平時には重要性を感じにくいサイバー攻撃対策。しかし、たった一つのメールから大きな被害が発生することもあるサイバー攻撃は、非常に怖いものです。常に警戒心を持って、しかるべき対策を行う必要があります。
脆弱性診断のためのコストが高いという悩みを持つ企業も多いことでしょう。
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